イタリア人との英会話体験(2)

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 前回のブログ「イタリア人との英会話体験(1)」の続きとなります。

 イタリア人と交流するに至った経緯をもう一度簡単に述べます。私の勤務する会社内の建物内に新しいイタリア製の設備を設置することになりました。その設備の組み付け・調整・試運転はそのイタリアメーカーの社員でないとできないため、今回来日して頂き我々日本人社員も立ち会うことになったのです。前回ブログでも述べた通り、最初の1週間はイタリア人がAさん一人のみでしたが、次の週からはBさんが加わりました。

 「You must be tired.」(お疲れでしょう)、「Are you in good shape?」(体調は良いですか?)、「What is your impression of Japan?」(日本の印象は?)、は通じず、「I am sorry?」を連発されてしまいました。私の発音が悪いのか・・・??

 AさんとBさんは現場での作業に真面目に取り組んでいました。英語は流暢に話せませんが、現場での作業に役立つ表現はいろいろと知っています。例を挙げましょう。

「It’s temporary.」(一時的さ)
「I’ve never seen that.」(そんなの見たことないよ)
「Please give me your hand.」(手伝ってください)
「Stay away from here.」(ここに近づかないで)
「Come this way.」(こっちから来て)
「Keep.」(このままにして)

 上記は簡単な短い文章ばかりですが、今回の現場作業で適切なタイミングで用いると確実に意思が伝わる便利な表現です。長年の経験を通して彼らなりに表現集を作り上げてきたのでしょう。

 基本的に設備の据え付け立ち上げは、契約によりイタリア人スタッフの担当・責任ですが、我々日本人スタッフが手伝うこともありました。こういう現場作業では難しい英語表現は不要です。

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 40代後半のAさんが老眼で細かな字が見えないため私に助けを求めてきました。「Do you have a good eye?」→はい、状況により言いたい内容は理解できます。しかし、言葉以外に理解の助けになるものが少ないシチュエーションでは、やり取りがスムーズにいかないことが多かったです。

 膝を硬いものに打ちつけて少し流血したBさん、とても痛そうな様子。患部を冷やしたいのか、「I want ice.」と言ってきました。「OK. I will bring a first-aid kit.」と言いましたが、ポカンとしていたので多分、伝わっていないだろう・・・。別の言葉で言い換えようとしたが、緊急時だし面倒くさいのでやめました。

 今回は、新しい設備の設置作業に我々受け入れ側(お客)がすべて立ち会ったのですが、これは特殊なケース。普通は、お客が時々のぞきに来る程度なので、そんなに話をする必要が無いんですね。基本的に彼らは設備を期間内に立ち上げたら、あとは帰るだけの立場です。そんなに英語を使う必要が無いので、海外出張の機会が多くても学習の動機付けが働きにくいのでは?、と推測しました。

 AさんとBさんは一日に5回くらいコーヒータイムを設けていました。コーヒー、ポット、電気ヒーターなど一式を持参し、我々日本人スタッフにも毎日ご馳走してくれました。私が知っているイタリア語はとても少ないのですが、「Grazie」(ありがとう)とお礼を言いました。私がイタリア語で日常会話位できればいいのですが、外国語は英語だけで手いっぱいなのです。

 イタリア人スタッフは、ノートPCでインターネットから音楽をダウンロードし、大音量でBGMを流しながら作業をすることも多かったです。会社内の他の職場ではあり得ないのですが、彼らのやり方に合わせるということで上の人も大目に見ていました。また、現場での作業中に定期的にラジオ体操やチャイムの音が流れてきます。日本人にはお馴染ですが、彼らイタリア人にとっては随分と奇異なものに感じるようです。「この音楽には何の意味があるんだ?」と必ず聞かれました。

 第二週目以降は、イタリア人がAさんとBさんの二人になったので、ペアで行動しイタリア語だけを話す機会が格段に増えました。当然、周りの日本人にはさっぱり解らない。昼休み中に割って入って英語で無理に話かけたりするといい顔はされません。イタリア人同士でイタリア語で話すのが一番楽ですからね・・・・。

 作業日程や手順が厳密に定められておらず、こちらから見ると大ざっぱな印象を受けました。明日や明後日の予定を細かく尋ねて嫌な顔をされてしまいました。「日本でもイタリアンスタイルを変えたくない」、とのこと・・・・。

 AさんとBさんは日本での滞在中は近くのビジネスホテルに泊まっていました。ホテルの朝食はバイキング形式でしっかり食べているようです。しかし会社の食堂でのランチは思ったよりも少食です(特にBさん)。Bさんに聞いてみると、「イタリアではメインは朝食」なんだそうです。(本当かな・・・?) 食事の仕方も異なっていました。日本人ならばライス・スープ・おかずなどを交互に行ったり来たりしながら食べますが、イタリア人(特にBさん)は、一つの皿を平らげないと次の皿へは手を付けないことが多かったです。

 ある時、Aさんがパスタをお箸で食べていました。「You are using chopsticks!」と話しかけると、「Yes! Because I am giapponese!(うん、だって僕は日本人だからね。)」、とおっしゃいました。イタリア人のような顔をしながら、お茶目なことを言う人です。

 日本人の同僚が、「英語はBさんの発音の方がAさんよりも聞き取り易い」ことに気づきました。そういえば若干Bさんの発音の方がきれいに感じます。見た目から判断するとBさんの方が若いので、受けた教育に違いがあるのかもしれません。原因は判りませんが、同じイタリア人でもバラつきがあるのを実感しました。

次回「イタリア人との英会話体験(3)」に続きます。

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投稿者:

J IWASAKI

J IWASAKI

大学卒業後、民間企業に長年勤めてきました。 英語学習に関しては殆ど独学ですが、TOEICで950点に到達しました。 このブログでは、私が効果的と考えている英語学習方法を紹介しています。 また、英語ニュースに関しても自分の考えを交えながら解説しています。 出来る限り平易に書いていますので、気軽に読んでください。