英語になった日本語の紹介(1)→「tsunami」

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津波避難
 2011年3月11日の東日本大震災発生以降、「tsunami」という単語を英字新聞の記事でよく見かけるようになりました。一例として、The Japan Times の2013年3月15日付記事からの抜粋を示します。

「The tsunami that ravaged Tohoku in March 2011 swept some 5 million metric tons of shattered buildings, cars, household goods and other rubble into the sea.」

 私が初めて「tsunami」という単語を見たとき、文脈から日本語の「津波」だなと理解し、特に疑問にも感じませんでした。しかし、その後あまりにもたくさん「tsunami」という単語を目にしたため、「tsunami」だけで英語圏の人たちに通用することに気が付いたのです。Oxford Advanced Learner’s Dictionary 第8版(オックスフォード大学出版局)で調べると、次のように「tsunami」の意味が記載されていました。

「(from Japanese) an extremely large wave in the sea caused, for example, by an earthquake」

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 権威ある英英辞典に載っているということは、英語圏の人たちに立派な英単語として認知されているということになります。英語圏のある一定以上の割合の人たちに長い時間使用され続けてきたとも解釈できます。「津波」という自然現象は日本固有のものではありませんが、「津波」という言葉は日本語であり、学術分野を含めて世界へ発信し続けた結果、広く認知されるに至ったと考えられます。

 このように、元々日本語でありながら英語としても認められた言葉は一体どのくらいあるのでしょうか?放送大学准教授の井口篤氏によると400個以上存在するそうです。(注1) 「え!、そんなにたくさん??」、というのが私の正直な感想です。このように日本語が英語化しているという事実は、私たち日本人にとってどんな意味を持つのでしょうか?私の考えを次に示します。

1)日本語をローマ字化しているので覚えるのが楽である。
2)日本語として使う時と英語として使う時で発音が異なるので、事前に辞書などで確認する必要がある。「tsu-na-mi」では真ん中の「na」にアクセントが置かれています。
3)英語圏の人たちに対して使えば、そのまま意味が通じる可能性が高い。残念ながら通じない場合は、英英辞典のように判り易く説明してあげる必要があります。
4)国際交流とは外国文化を一方的に受け入れるだでではなく、日本の事を世界に発信することでもある、と再認識できる。
5)その他??(読者のみなさん、教えてください・・・)

 よく観察してみると英字新聞だけではなく、洋画DVDの中でも日本語を借用した英語が散見されます。今後、折を見て本ブログで紹介していきたいと思います。

注1)「英語の軌跡をたどる旅 – The Adventure of Englishを読む」井口篤/寺澤盾著 (放送大学教育振興会) 170ページ参照

以上

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投稿者:

J IWASAKI

J IWASAKI

大学卒業後、民間企業に長年勤めてきました。 英語学習に関しては殆ど独学ですが、TOEICで950点に到達しました。 このブログでは、私が効果的と考えている英語学習方法を紹介しています。 また、英語ニュースに関しても自分の考えを交えながら解説しています。 出来る限り平易に書いていますので、気軽に読んでください。