アメリカ人同僚:Jさんとの交流記4回目です。
Jさんが配属されたグループ内でJさんの歓迎会を開くことになりました。合計7〜8名でしたが、Jさん以外は全員日本人です。和風居酒屋でしたが、椅子ではなく床に胡坐をして座るのは少し不慣れのようでした。
Jさんと日本人メンバーのコミュニケーション状況を以下の4種類に分けて説明します。
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①Jさんが日本語でしゃべる場合
発音が悪くて文法が間違っていても最終的には何を伝えたいのか理解することができましたので、特に問題は発生しませんでした。ネイティブスピーカーが英語をしゃべるときの抑揚やリズムが日本語をしゃべる場合にも感じられますが、意思疎通の障害にはなりません。Jさん以外は日本人なので、日本語をしゃべってくれると助かります。
②Jさんが英語でしゃべる場合
意識してゆっくりと判り易く発音してくれるので私は殆ど理解できました。洋画の中のネイティブスピーカーみたいに聞き取りにくいと感じることは少なかったです。彼なりに配慮してくれた結果でしょう。それでもTOEIC300点位の英語初級者にとっては辛い場面も多々あったと思います。今ここに存在しないもの、予備知識がないものに関して雑談をする時は、文脈からの類推という手段を用いにくくなるので本当のリスニング力が試されます。
Jさんは性格的に少しシャイな印象を受けますが、腹の底から低い声を響かせるようにしてしゃべるのが印象的です。堂々と自信にあふれている感じもします。洋画などを見ると口先でボソボソしゃべる人が結構いるので、英語圏でもしゃべり方は人それぞれなのかな?、と思いました。
➂Jさんに日本語で話しかける場合
文脈からの類推や勘の良さで補うことで何とか理解している様子でした。しかし、テレビの日本語のニュースでアナウンサーがしゃべっていることを理解できるか訊いたところ、「Sometimes」と答えていたので、日常生活でも日本語リスニングに不自由さを感じているようです。特に次のような状況では辛そうでした。
・日本人の狭い仲間内でしか通用しない表現が使われる場合
・方言やスラングが使われる場合
・早口でまくし立てる場合
・声が小さくボソボソしゃべる場合(このケースが実は多いです)
日本語のリスニングに不自由している外国人に対して日本語でしゃべりかける場合は、次のような配慮が必要だと感じました。
・大きな声でゆっくりしゃべる。
・なるべく正しい文法で、かつ、標準語を用いる。
・省略表現は避ける。
この飲み会で、私以外のメンバーは殆ど日本語のみを使っていました。普段から英語を勉強していなければ英語をしゃべるのは無理です。
④Jさんに英語で話しかける場合
TOEICのリスニング教材のように正しく発音すれば問題なく理解してもらえました。文法上の細かなミスは、それが致命的なものでない限り意思疎通の障害になることは少なかったです。
メンバーの一人がアメリカ出張時に「Hooters」という店に行ったらしいのですが、これを「フーターズ」と日本語のように平坦に発音しても通じませんでした。それでもJさん、じっと考えること数秒後に「Oh, Hooters!」と気付いてくれました。この優れた類推能力が、彼の日本での生活を支えているのでしょう。
歓迎会はお互いの親睦を深めるのが目的ですから、全体としては和やかな雰囲気のまま終了となりました。「この職場で英語だけを使って仕事をするのは無理だな」とJさんは再確認したに違いありません。
次回に続きます。