安全第一の精神はどこ行った?

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 私が現在勤めている会社では派遣社員がたくさん働いています。職種は様々ですが、年々その比率が上がってきていると感じています。今回は、派遣社員の職場での安全性が確保されているかということをお話しします。

 労働者派遣法によると職場での安全対策義務を負っているのは受け入れ側の企業、事故が起こった時に損害賠償金を派遣社員に払う責任は派遣している側の企業にあると規定されています。この法律がある為に受け入れ側の企業は安全対策を怠るという事例が頻発しています。

 なぜ安全対策を怠るのでしょうか?コスト削減の為です。コスト削減目標を達成しないと管理職の立場が危うくなるので弱いところにしわ寄せが行くのです。派遣会社側が、「安全対策を怠る企業には人を派遣できない。」と宣言すればいいのですが、仕事の依頼を受ける側なので立場が弱く目をつむってしまうのでしょう。派遣される社員自身も立場が弱く、「安全対策をしっかりやれ!」などと意見することはできません。結果として、危険な状況で仕事をさせられる派遣社員が大量に生まれるのです。

 では実際に事故が起こったらどうするのでしょうか。怪我をした派遣社員に損害賠償金を払うのは派遣会社側ですから、受け入れ企業は教訓を学ぼうとしないケースが多いのです。人数を減らしたり安全装置を取り付けなかったりした結果、取り返しのつかない怪我をしたり死亡したりするケースが珍しくありません。

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 上記の通り、現状の労働者派遣法はかなり企業寄りの内容になっていますから、規制をより厳しくして労働者を守る方向にもっていかなくてはなりません。しかし、今の安倍政権は逆に規制を緩めようとしています。ワタミフードサービスとかいうブラック企業の親玉を自民党の公認候補として当選させているくらいですから期待する方が間違っていますね。

 Japan Press Weeklyの2014年9月2日付記事のリンクを以下に貼りました。このブログ記事と関連した内容ですので興味ある方はクリックしてご確認ください。

「Revision of Worker Dispatch Law won’t improve agency dispatched workers’ status」

 上記の英文記事の中から一部を以下の「 」に引用します。( )内は私の日本語訳です。

「Companies supplied with labor from staffing agencies are currently exempt from responsibility to provide compensation for workplace injuries.」
(派遣会社から労働者を受け入れている企業は現在、職場でのケガに対して補償金を支払う義務が免除されている。)

「This encourages the company to neglect its duty to maintain the safety of agency dispatched workers.」
(このため会社側は、派遣労働者の安全確保を怠りがちになる。)

「The Abe government is intending to adversely revise the Worker Dispatch Law so that corporations can use agency dispatched workers without restrictions.」
(派遣労働者を企業側が規制無しで使えるようにするため、安倍政権は労働者派遣法を改悪しようとしている。)

最後に:
 自分にとって興味がある内容の英文記事を選んで毎日読む習慣を身に付けると英語学習と情報収集の一石二鳥になりますよ。私がオススメする方法です。

以上

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投稿者:

J IWASAKI

J IWASAKI

大学卒業後、民間企業に長年勤めてきました。 英語学習に関しては殆ど独学ですが、TOEICで950点に到達しました。 このブログでは、私が効果的と考えている英語学習方法を紹介しています。 また、英語ニュースに関しても自分の考えを交えながら解説しています。 出来る限り平易に書いていますので、気軽に読んでください。