どこにでもあるような商品は価格引き下げ競争に巻き込まれ易く、結果として企業の利益率が下がります。そんな時、経営者の中には安易に政治の力に頼ろうとする者が多いですね。出来合いの弁当などを販売している業界もその例外ではないようです。
厚生労働省の検討会が、コンビニ弁当などに健康食品としてのお墨付きを与えるための基準や認証マークを決定しました。コンビニのローソンから参加している検討会のメンバーは「売り上げアップにつながる」と大喜びです。
この動きには少なくとも3つの問題点があります。
1）政府と特定業界の癒着につながる。
恩恵を受ける業界は官僚の天下りを受け入れます。関係する政治家には献金と選挙応援をするようになります。すると、その業界が悪事を働いて消費者が被害を受けた場合でも事実の隠ぺいに手を貸す可能性が高くなるのです。消費者の健康よりも業界の利益確保が優先事項になるのは自然な流れですね。薬害エイズ事件と同じ構図です。
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2）食品添加物や保存料に関する基準が無い。
出来合いのコンビニ弁当は利益最優先の企業が大量生産しているものですから添加物と保存料まみれです。これらは毒物ですので長期的にどんな健康被害につながるか分かったものではありません。政府はこれら毒物には目をつむり、健康食品として認可しようとしています。
3）内容のチェックを政府自身が行わない。
その弁当にはどんな食品がどのくらい含まれているのか、認可する側は全く検査をせず、業者が提出したデータにすべて頼るというシステムなのです。企業側の言いなりですね。不正直な経営者が嘘をつく可能性は大いにあるわけですから、言い分をそのまま信用してしまうのは危険です。政府の役人もそんなことは知っているのですが、天下りの甘い汁には勝てません。
「大量の放射性物質をばらまいて国民に健康被害を及ぼしている原発事故に比べれば大したことじゃない」なんて思っている人はいませんか？様々な業界が政治家・官僚と癒着し日本社会をダメにしているのです。一つ一つの事例を丁寧に考えていく姿勢が大事だと思います。
Japan Press Weeklyの2014年10月8日付記事のリンクを以下に貼りました。このブログ記事と関連した内容ですので興味ある方はクリックしてご覧ください。（ ）内は私の日本語訳です。
「Health ministry to promote sales of ‘healthy’ boxed meals」（厚生労働省が“健康に良い”弁当の販売を促進）
上記の英文記事の一部を以下の「 」に引用します。（ ）内は私の日本語訳です。
「A working group in Japan’s health ministry on October 6 decided on criteria and a certification mark for the “wholesomeness” of ready-made boxed meals sold at convenience stores and supermarkets.」
（厚生労働省の検討会は10月6日、コンビニやスーパーで扱っている出来合い弁当に対して健康食品のお墨付きを与えるための基準や認証マークを決定しました。）
「On the other hand, it has no standards for food additives and preservatives that may adversely affect human health.」
（その一方で、健康に悪影響を与える食品添加物や保存料については何の基準もありません。）
「On top of that, whether boxed meals meet the criteria depends on the food-composition tables which are made by meal providers.」
（その上、弁当が基準に合致するかどうかの判断は、業者が提出する食品構成表頼りなのです。）
最後に：
自分にとって興味がある英文記事・ニュースを選んで毎日触れる習慣を身に付けると、英語学習と情報収集の一石二鳥になります。私がオススメする方法です。
以上
