福島原発事故の海外報道を紹介します(2)

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福島原発内部
写真の出典はCNN

 今回紹介するのは、CNNの記者が福島原発の事故現場を取材している様子です。移動中のバスから廃墟と化した街や放射性廃棄物の山を説明しています。検問を通過した後、原発の内部に乗り込みます。白い防護服を着るのですが、とても暑そうで放射線の影響も考えると長時間の取材は無理だったはずです。

 日本国内では福島の惨状を口にしただけで「風評被害だ」と条件反射をする人が多いので報道側も委縮してしまっているようです。「福島県産を食べて応援!」というキャッチフレーズに踊らされていると、福島原発事故はすでに過去のものだと思い込んでしまいそうです。しかし、海外のリポーターは遠慮なく事実を教えてくれるので参考になります。少なくとも日本のマスコミよりは・・・。

 詳しくは下記のリンクからご覧ください。CNNで2014年5月21日付になっています。ビデオと英文記事がセットで確認できます。( )内は私の日本語訳です。

「Inside Fukushima Daiichi: Visiting one of the most dangerous places on earth」(地球上で最も危険な場所の一つである福島第一原発の内部へ。)

上記リンクの英文記事の一部を以下の「 」に引用します。( )内は私の日本語訳です。参考にしてください。

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「The devastated Fukushima Daiichi nuclear plant is isolated from the rest of Japan by police checkpoints, security fences, and barricades.」
(破壊された福島第一原発へ行くには、警察の検問・安全柵・バリケードを通過しなければならなかった。)

「It remains a desolate wasteland three years after the meltdown, when Fukushima residents had just hours to grab their belongings and leave.」
(そこは人っ子ひとり居ない廃墟のままであった。3年前に炉心溶融が起きた時、福島の住民は数時間で荷物をまとめて立ち去らねばならなかった。)

「They still haven’t come back and likely won’t be able to for a very, very long time.」
(住民は今だに戻れないし、今後も長きに渡り帰還するのは無理だと思われる。)

「Dead fields, once full of crops, are now filled with endless rows of those black bags.」
(かつては農作物が豊かに実っていたが今は死の荒野と成り果て、汚染土を詰め込んだ黒い袋の列が延々と続いていた。)

「What makes this part of Fukushima such a frightening place is that you can’t actually see the danger lurking everywhere.」
(福島のこの地域が激変した原因は、至る所に存在する目に見えない危険物質だ。)

「Exposure can heighten the risk of cancer.」
(放射能にさらされると癌になる危険が高まる。)

「TEPCO acknowledges it’s impossible to know for sure how much cesium was released, but the company based its estimate on their best information.」
(東京電力はどの位のセシウムが放出されたのか正確に知る由もなく、また、一番楽観的な情報を基に計算・評価していたことを認めている。)

「Contaminated fish is a huge concern, considering seafood is a staple of the Japanese diet.」
(海産物は日本人にとって主要な食糧であることを考えると、汚染魚の問題は深刻だ。)

「Conditions inside the Fukushima plant, though, are extremely dangerous. I had to wear layers of protective gear and a Geiger counter, to detect radiation.」
(そうは言っても福島原発内部は極めて危険だ。私は防護服を何層にも着て、放射線を検知するためのガイガーカウンターを持たねばならなかった。)

「The plant has thousands of times more radiation than was in the bomb dropped on Hiroshima.」
(その原発に存在する放射能の量は、広島に投下された原発の何千倍である。)

「Inside, I watched workers remove a fuel rod in reactor 4. It is slow, grueling work in a reactor that is fully intact. Reactors 1, 2, and 3 melted down and the extensive damage there makes the process even more difficult.」
(4号機の内部では作業者たちが燃料棒を取り除く作業をしていた。それは無傷の原子炉内だったが、ゆっくりとした気が遠くなるほど時間がかかる作業であった。1・2・3号機は炉心溶融を起こし壊滅状態なので、燃料棒を取り出す作業はより一層難しくなる。)

「It will take decades and billions of dollars to make this place safe again.」
(その場所を再び安全な状態に戻すには、何十年という歳月と何十億ドルという費用が必要になるだろう。)

「The protective gear I was wearing got increasingly hot and uncomfortable as sweat poured down my back and condensation clouded the view through my visor.」
(着用している防護服のせいで急激に暑苦しくなり、汗が背中を滴り落ち、覗き窓が曇ってしまった。)

「I imagined how powerless I would feel if it was my house or business sitting empty and falling into disrepair, not knowing if it would ever be safe to go home again.」
(そこで放置され廃墟と化していく建物がもしも私の家や職場だったら無力感に襲われるだろうと思った。そこへ再び安全に帰還できるようになるのか、皆目見当も付かなかった。)

以上

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投稿者:

J IWASAKI

J IWASAKI

大学卒業後、民間企業に長年勤めてきました。 英語学習に関しては殆ど独学ですが、TOEICで950点に到達しました。 このブログでは、私が効果的と考えている英語学習方法を紹介しています。 また、英語ニュースに関しても自分の考えを交えながら解説しています。 出来る限り平易に書いていますので、気軽に読んでください。