選挙での投票率が低い原因について考える。

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人間をやめそうな男
 2014年12月14日に行われた衆議院議員選挙の投票率は52.66%だそうです。ここで過去の投票率推移を見てみましょう。

投票率の推移 総務省
出典は総務省のホームページ

 上グラフの右下を見ると前回の投票率が59.32%と書かれています。今回の投票率52.66%は、戦後最低を大きく更新したわけです。見事な右肩下がりの傾向が見て取れます。グラフの下の注記にも書いてある通り、投票時間を2時間延長したり期日前投票制度を導入していますが、有権者の権利放棄行動に歯止めをかけられていません。

 日本は、約半数の有権者が投票所に足を運ばない国になってしまいました。日本では実質、民主主義が機能していないのです。軍事独裁政権に抑圧されて苦しんでいる諸外国の民衆は、選挙権が喉から手が出るほど欲しいでしょうに・・・ 彼らが今の日本の状況を見たらどう思うでしょうか?ドイツでナチスが誕生したのは民衆の政治的無関心が原因です。

 今回の記事では選挙での投票率が低くなっている原因を考察したいと思います。投票行動をしないのはどんな人たちなのか私なりに考えました。

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1)根本的に政治に関心が無い人たち
 自分や、自分の家族のことしか興味が無い人たちですね。自分の損得、目先の損得、物質的・金銭的な損得しか考えない傾向が強いのです。こういう人に投票行動を促しても無駄でしょうね。投票所が自宅の隣にあって天気が良くて暇があっても投票には行きません。しかし、年始の福袋争奪戦のために徹夜して並んだりしますし、子供に学校を休ませてディズニーランドで遊ぶことには労力・時間・お金を惜しみません。スマホのゲームや賭け事にも熱心だと思います。
 ブラック企業で使い捨てにされるなど悲惨な目に会わない限り、社会的問題意識が芽生えることは無いでしょう。

2)政治には関心があるが投票先を決められない人
 単純に情報不足に陥っているだけだと思います。この無党派層の人たちに目覚めてもらっては困るので、安倍自民党はテレビ局に圧力をかけて選挙期間中は報道を控えてもらいました。報道しても内容は無味乾燥です。権力の監視役を放棄しているただの情報産業に魅力を感じる訳がありません。新聞社も大手を中心にほとんどが御用新聞なので知的好奇心を刺激されません。だから、実際の投票行動にまで至らないのです。

 対策は色々あります。一部の良心的な新聞社や雑誌などを見つけるのは有効です。インターネットでも信用できる情報源はたくさんあります。各自が頑張って見つけなければなりません。手段はいくらでもあるのであきらめる必要はないのです。日本国民一人一人が色々と悩みながら情報を集める義務があります。

 現状の安倍政権に共感を覚えるならば自民党に投票すればよろしい。創価学会員ならば文句なく公明党でしょう。しかし、それ以外の人はどこに投票すればいいんだろう?野党の中から選べばいいのですが、なんか頼りなくて、信用できなくて、自民党の代わりに政権の座について欲しいとも思わないですか?共産党は名前に悪いイメージがあるから話を聞く気にもなれないですか?他に選択肢がないならば共産党の言い分を聞くのも悪くないと思いますよ。

 各自がきちんと考えれば最適な選択肢が必ず見つかる筈です。見つける努力を怠っているため、有権者の半分が棄権する事態になっているのです。日本の選挙では投票率が低いということが海外の英字新聞などでも言及されています。

CNNの2014年12月14日付ニュース↓
「Japan votes on ‘Abenomics’」(日本でアベノミクス選挙が行われた)
「Low voter turnout in Japan’s election will give Abe more time for “Abenomics”」(日本での低い投票率のお蔭でアベノミクスを推進する時間的猶予が増えた。)

The Washington Postの2014年12月14日付ニュース↓
「Faced with few options, Japan gives Prime Minister Abe more time to fix the economy」(日本国民には殆ど選択肢が無かったため、安倍総理が経済対策を進める時間が増えた。)
「Japanese Prime Minister Shinzo Abe’s ruling coalition cruised to a big election win Sunday, but a low voter turnout could weaken his claim of a mandate to revive the economy.」(日本の安倍総理率いる自公政権が、日曜日の選挙で楽々と大勝を収めた。しかし投票率が低かったため、経済対策への信任が得られたかどうかは疑わしい。)

The New York Timesの2014年12月14日付ニュース↓
「In Japan, a Landslide Victory for Shinzo Abe’s Party, Despite Scant Enthusiasm」(盛り上がりはイマイチだったが、日本では安倍総理率いる政党が地滑り的勝利を収めた。)

theguardianの2014年12月15日付ニュース↓
「Japanese PM Shinzo Abe tightens grip on power with election victory」(日本の安倍総理は選挙に勝利して権力を手中に収めた。)
「Liberal Democratic party has won comfortable majority in general election – albeit on low turnout」(投票率が低かったものの、自民党は総選挙で安定多数を獲得した。)

 日本人がどの程度のレベルの国民なのか、海外の人たちは結果の数字(52.66%)から判断していると思います。

以上

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投稿者:

J IWASAKI

J IWASAKI

大学卒業後、民間企業に長年勤めてきました。 英語学習に関しては殆ど独学ですが、TOEICで950点に到達しました。 このブログでは、私が効果的と考えている英語学習方法を紹介しています。 また、英語ニュースに関しても自分の考えを交えながら解説しています。 出来る限り平易に書いていますので、気軽に読んでください。