人権侵害大国日本:アムネスティインターナショナルの記事紹介

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袴田さん
 誠に残念ですが、裁判所が警察・検察とグルになって犯人に仕立て上げる冤罪事件が日本で多数発生しています。「袴田事件」もそのうちの一つです。

ウィキペディア「袴田事件」

事件の概要:上記リンクのウィキペディアから引用
「袴田事件(はかまだじけん)とは、1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で発生した強盗殺人放火事件、およびその裁判で死刑が確定していた袴田 巖(はかまだ いわお、1936年3月10日 – )-元被告が判決の冤罪を訴え、2014年3月27日に死刑及び拘置の執行停止並びに裁判の再審が決定(再審開始については即時抗告審での審理中のため未確定)された事件。日本弁護士連合会が支援する再審事件である。」

袴田氏に対する警察の取り調べ・拷問の状況:上記リンクのウィキペディアから引用
「袴田への取調べは過酷をきわめ、炎天下で1日平均12時間、最長17時間にも及んだ。さらに取調べ室に便器を持ち込み、取調官の前で垂れ流しにさせる等した。
睡眠時も酒浸りの泥酔者の隣の部屋にわざと収容させ、その泥酔者にわざと大声を上げさせる等して一切の安眠もさせなかった。そして勾留期限がせまってくると取調べはさらに過酷をきわめ、朝、昼、深夜問わず、2、3人がかりで棍棒で殴る蹴るの取調べになっていき、袴田は勾留期限3日前に自供した。取調担当の刑事達も当初は3、4人だったのが後に10人近くになっている。」

 無実であることを自分で分かっているのに死刑囚にされてしまうとは、どういうことなのでしょうか?自分の人生にどんな悪影響があるのでしょうか?

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・家族関係・友人関係が崩壊する。
・仕事を失う。
・財産・収入を失う。
・仕事も趣味もやりたいことが出来なくなる。
・世間から隔離され孤独を強制される。
・毎日死の恐怖に怯えながら過ごさねばならない。(死刑執行が知らされるのは当日の朝です)
・その他

 袴田さんは精神に異常をきたし、再審開始が決定して釈放された後も普通の生活を送れていません。一番近い親族である姉の秀子さんが具体的に話をしていますので、詳しくは下記リンクをご覧ください。

「実姉ひで子さん独白 弟、袴田巌との新生活と48年間の葛藤」

 アムネスティインターナショナルが2015年3月26日付で関連記事を書いています。リンクを下記に貼ります。( )内は私の日本語訳です。

「One year since Hakamada’s release, how much has really changed for Japan’s death row inmates?」(袴田さんが釈放されてから一年経つが、日本の死刑囚を取り巻く状況に変化は起こったのか?)

 上記リンク英文記事の一部を以下に引用します。( )内は私の日本語訳です。参考にしてください。

「Exactly one year ago today, 78-year-old Hakamada Iwao walked out of the Tokyo Detention Centre after a District Court in Japan granted him a temporary release and retrial. Hakamada – the world’s longest serving death row prisoner — had spent more than half his life on Japan’s death row. His conviction had been based on a “confession” he made under repeated torture, and with evidence that the court ruled could have been fabricated.」
(ちょうど一年前の今日、78歳の袴田巌さんが東京拘置所から歩いて出て来た。日本の地方裁判所が仮釈放と再審を認めたのだ。袴田さんは、死刑囚として拘束されていた期間が世界で最も長い人であり、人生の半分以上を死刑囚用の独房で過ごした。彼は執拗な拷問により虚偽の自白をさせられ、死刑判決を受けたのだ。証拠は捏造された疑いがあると裁判所が判断した。)

「Yet, despite the fact that this high-profile case shook people’s confidence in Japan’s prison and justice systems, one year on, little has changed. Japan’s criminal justice system is still deeply flawed and conditions on death row remain inhumane.」
(この冤罪事件は世間の注目を浴び、日本の司法制度に対する国民の信頼が揺らいだ。しかしながら、釈放から1年経つのに制度は殆ど改善されていない。日本の司法制度は依然として深刻な病巣を抱えており、死刑囚に対する非人道的な扱いも変わっていない。)

「When Hakamada emerged from detention into the glare of the media spotlight on 27 March last year, what news cameras captured was not an image of jubilation, but of a slightly stooped elderly man wearing a blank expression. After more than 45 years confined alone in a 5 square metre cell, Hakamada left prison mentally ill. His speech makes little sense and he often withdraws into himself. At other times, he suddenly flies into a temper.」
(袴田さんが昨年の3月27日に釈放されたとき、メディアの注目は凄かった。しかしカメラが捉えたのは喜んでいる人ではなく、言葉を発せず前かがみでヨタヨタと歩く老人であった。袴田さんは5平方メートルの独房に45年以上も閉じ込められており、釈放された時は精神に異常をきたしていた。彼がしゃべることは殆ど意味不明であり、自分の世界に引きこもってしまうことも多い。突然、癇癪を起すこともある。)

「Hakamada began showing signs of disturbed thinking and behaviour back in 1980, when the Supreme Court confirmed his death sentence. His lawyer reported that it was difficult to communicate with him, which made meetings with him ineffective. Conversations with his sister, Hideko, and letters he wrote also showed disordered thinking.」
(1980年に最高裁判所が死刑判決を下して以降、袴田さんの精神や行動に異常が見られるようになった。弁護士によると、彼との意思疎通は困難であり面会が用を成さなくなっていた。姉の秀子さんが面会したり獄中から手紙を受け取ったりしたが、精神が錯乱している傾向がみられたという。)

「In Japan, death row prisoners are kept secluded from the outside world, which in addition to solitary confinement also means little contact with family members. Hakamada lived under such conditions for not just years, but decades.」
(日本では、死刑囚は独房に入れられ外界から隔離された状態になる。家族との面会も殆ど出来なくなるのだ。袴田さんはそのような過酷な状況下で、何年ではなく何十年も生きてきたのだ。)

「His case raises potent questions. For example, can locking someone up in a cramped cell, alone for decades ever be justified? Does the Japanese criminal justice system as it stands guarantee fair trials and provide enough safeguards against forced confessions? And if the risk of executing the innocent is always present, will there ever be enough safeguards? Experience from the great majority of countries in the world shows that the answer is no.」
(袴田さんの冤罪事件により様々な強い疑問が湧いた。狭い独房に何十年も拘禁するのは正しいのか?日本の犯罪司法制度は公平な裁判を保障し、かつ、自白が強要されないように十分な配慮がされているのか?無実の人間が処刑される危険が常にあるが、十分な防止策が今後実施されるのか?これらの質問に対する答えはノーだ。世界のほとんどの国がそう見ているのである。)

最後に:
 このような人権侵害事件が無数に存在する日本。日本という社会システムが欠陥を抱えている証拠です。この欠陥は見直されることもなく何十年も放置されています。自分には関係ないことだとして、無関心な人がほとんどです。実際には国民全員に関係あることなのです。
 原発事故や沖縄基地をはじめ様々な社会問題は、日本という欠陥システムが生んだ産物です。冤罪事件と根っこでつながっていると私は考えます。

以上

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投稿者:

J IWASAKI

J IWASAKI

大学卒業後、民間企業に長年勤めてきました。 英語学習に関しては殆ど独学ですが、TOEICで950点に到達しました。 このブログでは、私が効果的と考えている英語学習方法を紹介しています。 また、英語ニュースに関しても自分の考えを交えながら解説しています。 出来る限り平易に書いていますので、気軽に読んでください。