巨大な放射性廃棄物に苦しむアメリカ:IPPNW(核戦争防止国際医師会議)の記事紹介

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ハンフォード核施設
写真(ハンフォード核処理施設) 出典:米国エネルギー省

 ハンフォードという名の核処理施設はアメリカのワシントン州東南部に位置します。1518平方キロメートルに及ぶ広大な敷地内にプルトニウム処理施設や原子力発電所など様々な建物が立ち並ぶ複合施設です。

ハンフォード核施設他の地図
地図の出典:ブログ「大川原有重 春夏秋冬」

 第二次世界大戦中にここで作られたプルトニウムがロスアラモス研究所に供給され原爆が製造されました。その内の一つはファットマンと呼ばれ日本の長崎に投下されました。冷戦時代もアメリカの核兵器製造のために大量のプルトニウムを製造しました。

 長年の活動により大量の放射性廃棄物が施設内に溜まってしまい、その量は全米の6割を占めると言われています。また、周辺地域への放射性物質漏出もひどく、環境汚染や住民への健康被害も深刻です。この施設は現在、除染や後始末に追われており、多額の税金が毎年費やされています。老朽化した原発の廃炉も含めて終わりなき戦いが続いているのです。

 IPPNW(=International Physicians for the Prevention of Nuclear War:核戦争防止国際医師会議)が、関連記事を書いています。以下にリンクを貼ります。

http://www.ippnw-students.org/Japan/Hanford.pdf

 上記リンク英文記事の一部を以下に引用します。( )内は私の日本語訳です。参考にしてください。

「The Hanford Site was built in the 1940s to produce plutonium for the U.S. nuclear weapons program. Located near the city of Richland in Washington State, the compound stretches over an area of more than 150,000 hectares and consists of more than 500 buildings, including nine nuclear reactors.」
(アメリカの核兵器開発に必要なプルトニウムを生産するため、ハンフォードサイトは1940年代に建設された。ワシントン州のリッチランド市近くにあるその複合施設は、15万ヘクタール以上の敷地を擁する。9つの原子力発電所を含め、500以上の建物から成る。)

「Hanford supplied the material for the Trinity Test, the world’s first nuclear detonation, in July of 1945. It also provided the plutonium for “Fat Man,” the bomb which destroyed Nagasaki one month later. In the following four decades, the Hanford Nuclear Site produced more than 67 metric tons of plutonium for the U.S. nuclear arsenal.」
(1945年の7月に行われた世界初の原爆実験はトリニティと呼ばれているが、そのための原料はハンフォードが供給した。実験の一か月後に長崎市を破壊した原爆:ファットマン用のプルトニウムもハンフォード製だ。その後40年に渡り、ハンフォード核施設は67トン以上のプルトニウムを核兵器のために製造した。)

「In 1986, the U.S. Department of Energy, in response to public pressure and a request under the Freedom of Information Act, released 19,000 pages of previously classified documents that revealed, among other things, that radioactive releases from Hanford had contaminated air, groundwater, soil and the Columbia River. Fallout had spread more than 200 radioactive isotopes over Oregon, Idaho, California, Montana and Canada.」
(1986年、情報公開法に基づく国民からの要請に応え、以前は秘密指定されていた19000ページの資料を米国エネルギー省は公表した。その結果明らかになった事実の一つは、ハンフォード施設が原因で大気・地下水・土壌・コロンビア川が放射能汚染されたということだ。200種類以上の放射性同位体が微粒子としてまき散らされたが、その範囲はオレゴン州・アイダホ州・カリフォルニア州・モンタナ州、そしてカナダにまで及ぶ。)

「In December 1949, Hanford scientists had deliberately released between 259 and 444 Tera-Becquerel (1 TBq = 1 trillion Becquerel) of radioactive iodine- 131 in order to test monitoring equipment for radiation doses. The amount of iodine-131 released in these “experiments” was 350 to 600 times more than the total amount released during the Three Mile Island nuclear meltdown (0.74 TBq).」
(1949年12月、259〜444テラベクレルの放射性ヨウ素131をハンフォードの科学者たちは故意に放出した。放射線監視機器をテストするのが目的だった。これらの実験で放出されたヨウ素131は、スリーマイル島原発事故で放出された総量の350〜600倍にも及ぶ。)

「A significant number of children may have developed thyroid cancer due to Hanford nuclear fallout, but no epidemiological studies were ever performed on the affected population.」
(ハンフォードからの放射性物質放出により、かなり多くの子供が甲状腺癌になった可能性がある。しかし、影響を受けた住民に対する疫学的な調査・研究は何も行われていない。)

「Especially affected by radioactive contamination were native peoples living downwind or downriver from Hanford:」
(放射能汚染により特に大きな被害を受けたのは、ハンフォードの風下・川下に住む原住民たちだ。)

「The 7,400,000 TBq of highly radioactive waste stored in Hanford amount to about 60 % of the total U.S. nuclear waste.」
(ハンフォードに保管されている高レベル放射性廃棄物は740万テラベクレルだが、それは全米総量の約6割に当たる。)

「According to the U.S. Department of Energy, more than 200 million liters of radioactive and chemical waste are stored in leaking underground tanks on the Hanford Nuclear Site. Due to leaks and improper disposal, an estimated 3.5 million liters of radioactive effluent have already contaminated the groundwater over an area of more than 123,000 acres.」
(米国エネルギー省によると、ハンフォード核施設の地下に貯蔵されている放射性廃棄物と化学廃棄物は2億リットル以上である。しかし、保管用のタンクから漏出している状態だ。漏出や不適切な廃棄が原因で、推定350万リットルの液状放射性廃棄物が地下水を汚染してしまった。その範囲は、12万3000エーカー以上になる。)

「As radioactively contaminated water was deliberately pumped into the river until 1971, high levels of zinc-65, arsenic-76, phosphorus-32, sodium-24 and neptunium-239 have been found downstream from Hanford.」
(1971年まで放射性汚染水を川へ放流してきたため、高レベルの亜鉛-65、ヒ素-76、リン-32、ナトリウム-24とネプツニウム-239がハンフォード施設の下流で検出されている。)

「Ever since plutonium production in Hanford ended in 1988, the “largest civil works project in the history of mankind” is costing tax-payers more than $2 billion per year and is slated to continue until 2052. An additional safety threat is posed by the aging nuclear power plant at Hanford.」
(ハンフォードでのプルトニウム生産が1988年に終了して以降、人類史上最大の浄化プロジェクトが推進されている。そのために毎年20億ドル以上の税金が投入されており、2052年まで続く予定だ。さらには、ハンフォードの老朽化原発により新たな危険が発生している。)

「Surprisingly little epidemiological research has been done on the population affected by radioactive contamination and the full extent on public health may never be known. The people living around Hanford, especially the socially marginalized natives, are all Hibakusha, as their health has been compromised by the fanatical longing for ever larger and more destructive nuclear arsenals.」
(驚いたことに、放射能汚染に晒された住民に対する疫学的調査がほとんど行われておらず、健康への影響を全て知ることはできないと思われる。無力さを感じている原住民をはじめハンフォード周辺の人達は、みんな被爆者である。もっと大きくて、もっと威力がある核兵器が欲しいという貪欲さのために、彼らの健康が害されてきたのだから。)

以上


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投稿者:

J IWASAKI

J IWASAKI

大学卒業後、民間企業に長年勤めてきました。 英語学習に関しては殆ど独学ですが、2014年5月時点でTOEIC:950点に到達しました。 仕事でも英語を用いる機会が増えていると実感しています。 英語力をさらに磨くため、日々、試行錯誤の毎日です。 このブログでは、私が効果的と考えている英語学習方法を紹介しています。 また、英語ニュースに関しても自分の考えを交えながら解説しています。 出来る限り平易に書いていますので、気軽に読んでください。