アメリカ人同僚:Jさんとの交流記3回目です。
Jさんは私の職場に来たばかりですので、数か月の間、日報を書かされることになりました。その日にやったこと、学んだこと、感想、質問などを書くのですが、一種の教育も兼ねています。その日報は同じグループのみんなで交代でチェックし、必要ならばコメントを書いて本人に返却しました。
その当時Jさんは殆ど日本語を書けなかったので、日報はすべて英語で作成していました。あまり難しい表現は使われていませんでしたが、英語に慣れていない者にとっては負担だったようです。英文の日報を読んでチェックしコメントを英語で書くのに、どうしても時間と手間がかかるのです。「日本語で日報を書いてくれる日本人の新人とは違うなあ・・・」、とメンバー全員が感じたようです。
私にとって見たことが無い英単語も目にしました。例えば、「presume」。英英辞典で確認したところ、「to suppose that something is true, although you do not have actual proof」という意味で使っていました。それ以来、Jさんとの会話で意識して「presume」という単語を使うようになりました。やはり、面倒くさくても知らない単語は辞書で調べないと身に付かないですね。
そのうちJさんの直属の上司が、「日報は英語ばかりではなく、一文だけでもいいから日本語でも書くようにしなさい。勉強のためだ。」と日本語で命じました。それからJさんは言われたとおりに一文だけ日本語で書くようになりました。しかし、彼も認めている通り日本語の文法知識が乏しかったので、ひどい文章を読まされることになったのです。何が言いたいのか良くわからないので、「Could you explain what this sentence means in English?」と尋ねたこともありました。「これなら全部英語で書いてくれた方がチェックし易いなあ・・・」と思ったものです。
日報に関しては基本的に電子メールでJさんとやり取りしました。彼から日報が送られてきたらチェックし、添削して再びメールで送り返す、というスタイルです。実は、電子メールによる英文のやり取りを行うのは私にとってこの時が初めてでした。繰り返し学習していたTOEICの公式問題集でも英文メールの例文がたくさん出てきますので、そんなに違和感が無かったですね。一例としては、「Attached is the report I made・・・」などの倒置形は頻繁に使用しました。英語の学習だけをやっていた時は、どんな表現でも何か別世界のもの、という感覚がありました。しかし、仕事上の必要に迫られて実際に使う状況になると、英語の表現が自分のものとして感じられるようになったのです。
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新人の日報だからと言って軽く読んでハンコだけを押して返却する、というケースが見られますが、私は丁寧に添削しました。変更・追加・削除する部分を赤字でしっかり示し、質問にもできるだけ丁寧に英語で答えました。後日、彼から次のような感じの英文メール礼状が届きました。
「Thank you very much for checking my daily report while you are busy. This has contributed to improving my Japanese competency.」
さらに、私が英語学習をしているのを知っていたので、アメリカで出版された英語学習教本を貸してくれました。参考までにタイトルを記しましょう。
「The Elements of Style」STRUNK and WHITE (Longman Drafters)
(→これは随分難しく、読むのに苦労しました・・・・)
時間や手間はかかっても細かなところまで気を使うことで相手に誠意が伝わり、人間関係に好循環が生まれます。この原則に国籍は関係ないようです。
次回に続きます。
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