イタリア人との英会話体験(3)

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 前回ブログ「イタリア人との英会話体験(2)」からの続きとなります。

 新しい設備の据え付け調整が無事に終わり、イタリア人のAさんとBさんは帰国しました。そして次の来日されたのがCさんです。この人は機械操作方法の教育を担当しており、長年にわたって様々な国に出張してきた経験があります。教育担当というだけあって、前の二人と比べて英語を使い慣れていましたし、日本人スタッフの使う英語表現が通用し易くなりました。彼から積極的に話しかけてくることが多いのですが、やはり独特のイタリア語なまりがあるので皆、悩まされていました。いくらTOEICの点数を上げるための勉強をしても、イタリアなまりの英語Listeningに通用する訳ではないので、別途慣れる必要があります。

 Cさんは日本のアニメや漫画が大好きです。1970年代の古いアニメ「マジンガーZ」の主人公の名前を知っているか?と訊いてくるので、「No.」と言ったら、「〇〇〇」と胸を張って教えてくれました。もっと新しいアニメ「クレヨンしんちゃん」を知っているか?とCさんに尋ねたところ、「Oh, that’s my favorite!」。40過ぎのイタリア人のおじさんが「クレヨンしんちゃん」を知っているんですかね・・・? しかし、しんちゃんのお尻フリフリポーズを演じてくれるので認めざるを得ません。人気アニメなのは知っていましたが、イタリア語に訳されてイタリアで放映されているとは思いませんでした。
 
 Aさん、Bさん、Cさん共に、休日になると東京見物に出かけました。宿泊場所からは距離があるにも関わらず、すごく熱心に準備や下調べをしていました。日本に来るチャンスはめったにないので気持ちは解らないでもありません。(申し遅れましたが、今回来日したイタリア人は3人とも男性です。)

 Cさんは、なぜか食堂で一緒に昼食を食べようとはしませんでした。現場で一人残ってスナック類をつまんでいます。理由をしつこく尋ねたところ、次のような悲劇を体験したんだそうです。
「他の国でひどいランチを食べてお腹をこわし、駆け込んだトイレが最悪のものであった。文明人が使う代物ではなかった。このようなことが頻繁にあったので、出張先でのランチは原則食べるのをやめた。」
「この会社のランチは社員食堂が提供するものだからお腹をこわす心配はない。また、トイレもすぐ近くにあり最新式の綺麗なものだよ。」と説明してもダメでした。しかし、滞在していたホテルの朝食と夕食はしっかりと食べていたようです。

 全くの別件で、イタリア語の表現でどちらが適切か確認してくれと上司から依頼を受けました。ちょうどCさんが会社内にいたので「Which do you think is better?」と尋ねたところ、「複数形を使っているからこちらの文章を使った方が良い」と教えてくれました。普通ならあちこちに問い合わせて確認するのが面倒なのですが、ラッキーと言わざるを得ませんでした。
 
 Cさん自身が日本語に興味を持っているらしく、「I am an Italian.」を日本語でどう言ったらいいのか私に尋ねてきました。彼は漢字が読めないのでローマ字で「Watashi wa itariajin desu」と書いてあげました。発音の仕方も教えたら、熱心に繰り返し練習していました。かなり友好的に感じます。

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 さて、Cさんは、冬季オリンピックが開かれたトリノ出身です。「Torino is famous for the industry. Right?」ときくと、有名な車メーカーFiatはトリノを拠点としていると教えてくれました。Fiatのiはイタリア、aは自動車、tはトリノの略だ、と説明してくれたのですが、「じゃあ、Fは?」と尋ねると、「I don’t know.」。トリノ生まれのイタリア人であっても知らないことはあります・・・・。
 後でインターネットで調べたところ、「Fiat」はイタリア語で「Fabbrica Italiana Automobili Torino」の略であり、日本語では「トリノのイタリア自動車製造所」という意味になります。

 Cさんの日本滞在も終盤に差し掛かった頃、事故が発生しました。こちら側のミスで周辺設備が故障し、しかも油が大量に床に漏れたのです。この周辺設備を直さないと今回導入した新しい設備も使えないので直ぐに修理担当者を手配しましたが、油は自分たちで拭き取らねばなりません。頼みもしないのにCさんは自主的に手伝ってくれました。「Thank you for your cooperation.」(すいませんねえ・・・)というと、「I’ve experienced this kind of accident many times.」(こんなのはよくあることですよ。)、とのお答え。・・・・また、イタリアに行きたくなりました。

 肝心のCさんの仕事については何も書いてませんでしたが、新しい設備の操作教育は予定通り終了しました。100%スムーズに行った訳ではありませんが、今回は言葉の壁を乗り越えやすい下記の条件が揃っていました。

①Cさんも日本人スタッフも似たような仕事分野なので、知識や経験が似通っている。
②現場で、しかも実物を使っての教育なので自然と理解し易い。

 今回は、お互い流暢に英語を話せる状態とは言えませんでしたが、上の条件が大いに助けになりました。逆に、双方が英語を流暢に話せて上記①、②の条件が欠落している場合はスムーズに仕事が進むでしょうか?ちょっと厳しい気がします。皆さんはどう思われますか?

次回、「イタリア人との英会話体験:まとめ」に続きます。

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投稿者:

J IWASAKI

J IWASAKI

大学卒業後、民間企業に長年勤めてきました。 英語学習に関しては殆ど独学ですが、TOEICで950点に到達しました。 このブログでは、私が効果的と考えている英語学習方法を紹介しています。 また、英語ニュースに関しても自分の考えを交えながら解説しています。 出来る限り平易に書いていますので、気軽に読んでください。