英字新聞で情報を得よう!(43)・・・特定秘密保護法の問題点(5)

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手錠
 2013年12月13日に公布された「特定秘密の保護に関する法律」(特定秘密保護法)(the secrets protection bill)に関して、その問題点を考えるシリーズ5回目です。

 心当たりが無いのに突然逮捕されるのはどんな気持ちなんでしょうね?手錠をはめられてパトカーに押し込まれ警察署に連れて行かれる。日本では取り調べで弁護士が同席できませんから、怖い刑事に脅迫されてウソの自白をさせられる可能性があります。取り調べのため休憩や睡眠をさせてもらえなければ意識朦朧となり、自白した方が楽だという気持ちになるそうです。国際的にも悪名高い、いわゆる人質司法制度は多くの冤罪事件を生んできました。次の関連記事もご参照ください。

冤罪事件から人質司法の恐ろしさを考える

 冤罪まで行かなくても長期間拘束された後に釈放される訳ですから、サラリーマンの場合、職場に居づらくなり退職せざるを得なくなる場合もあります。その結果収入が無くなり一家離散なんてことも想像してしまいます。

 特定秘密保護法は政府側の都合でどんな種類の情報も秘密指定できます。しかも、どの情報が秘密指定されたのか国民は知ることができないので、知らず知らずのうちにその情報にアクセス・入手し、公開してしまい、突然逮捕される可能性があります。その場合、「秘密指定されているとは知りませんでした」という言い訳は通じず、懲役刑(最高で10年)を言い渡されるのです。怖いですね。国民を委縮させ大人しくさせるのに十分な効果があります。

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 安倍政権はなぜ、特定秘密保護法を使って国民を委縮させたいのでしょうか?政府にとって知られたら都合が悪い情報を得る為に嗅ぎまわり公表する輩が邪魔なので排除したい、というのが理由です。例えば、テレビや新聞などの大手メディアであれば安倍さんが手なずけていますが、比較的規模が小さい新聞社や雑誌までは影響力を行使できていないのです。一例として、政府のスキャンダル記事を週刊誌が特集することがありますが、その報道が支持率低下につながることを恐れているのです。しかし一般国民の側からすれば、権力者の犬ではない人が入手し公表した情報は判断材料として重要です。

 例えば原発の作業員として現場で働きながら取材し、そこの実態を文章化して発表するルポルタージュがありますが、具体的で解り易く事実が述べられているので信頼できるものが多いです。一例として下記を参照してください。

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 政府や東京電力の発表内容はすべてが嘘とは言いませんが、抽象的で判りにくく、しかも事実の歪曲・隠避が多いので信頼できません。泥臭くても生の現場から得られた情報の方が役に立つのです。しかし、特定秘密保護法が運用され始めたら原発関連情報はいつの間にか秘密指定され、取材・報道をする人間は逮捕される可能性が高いです。その結果、国民は政府の発表だけを頼りにするようになるのです。逮捕されるより怖いですね。

 皆が委縮してまともな情報収集行動がとれず疑心暗鬼になっている社会に明るい未来は無く、真の経済発展など望むべくもありません。
特定秘密保護法に関連する文献を紹介します。参考にしてください。

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 最後に、Japan Press Weeklyの2013年10月27日付記事「What the secrets protection bill is all about」の一部を以下に引用します。このブログ記事と関連した内容ですので読んでみてください。背景知識と感情を伴いながら読めば、英単語も覚え易いし忘れにくいですよ。

 自分にとって興味のあるテーマを扱った記事を選んで毎日読む習慣をつけると英語学習と情報収集の一石二鳥になります。

「People can suddenly be arrested without reason
Persons who happened to get some state information may be arrested or face a search of their houses as the public is unable to determine what kinds of matter are classified as “special secrets” under the law.
If someone posts to his blog a picture of a fighter jet which he took from outside an SDF base or provide detailed explanation of a surface-to-air missile displayed at an SDF’s public event, that person may be charged with information leakage.
The Cabinet Information Research Office which is in charge of the bill stresses that the leaks of secret information on the Internet are “irreparable”. The bill stipulates that those who gain access to special secrets or undermine the control of those secrets will be sentenced to imprisonment of up to 10 years.
Japan’s legal system already has the Unauthorized Computer Access Law, with a maximum penalty of imprisonment of up to three years. The fact that the draft law includes stricter penal provisions for illegal access to special secrets shows that the government intends to more severely regulate attempts to obtain information. At present, the Legislative Council of the Justice Ministry is discussing the revision of the Wiretapping Law, considering the expansion of coverage and the legalization of planting bugging devices.
If the bill becomes law, it will be entirely up to administrative and investigating authorities to decide what acts will be regarded as “illegal access”.」

以上

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投稿者:

J IWASAKI

J IWASAKI

大学卒業後、民間企業に長年勤めてきました。 英語学習に関しては殆ど独学ですが、TOEICで950点に到達しました。 このブログでは、私が効果的と考えている英語学習方法を紹介しています。 また、英語ニュースに関しても自分の考えを交えながら解説しています。 出来る限り平易に書いていますので、気軽に読んでください。