妊娠出産を理由に女性を解雇する企業に未来はあるか?

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 例えば大きな会社で長年経験を積み管理職・経営者などに就くと視野が広くなるのでしょうか?一般に大きな会社内にはたくさんの職種・部署があり、構成員の年齢・性格も様々です。取引している納入業者や顧客もたくさんいるでしょう。扱っている商品の種類が多く、活動範囲が全世界に及ぶことも珍しくありません。たくさんの情報に囲まれていれば視野の広い人間になれるのでしょうか?私はそうは思いません。

 大きな理由の一つとして、企業は所詮、営利目的の団体に過ぎない、ということが挙げられます。「会社の儲けは、永続的な社会貢献のための手段に過ぎない」という理念を掲げていた起業家が昔は存在したみたいですが、今の経営者は利益を上げて内部留保を増やし株価を上げて自己保身することが目的化しているケースが多いです。企業の宣伝広告で使われている言葉などはアテになりません。

 有名な大企業でも実際にやっていることは薄っぺらなことが多いのです。例えば・・・ 非正規社員の割合を増やして給与を減らす。毎日夜遅くまで働かせているのに残業代を払わない。赤字になると社員への退職勧奨を繰り返す。製品の原価を下げるために品質を落とす。安全のためのコストを削って顧客を危険に晒す。・・・・例を挙げればキリがありません。つまり、目先の会社の利益を追求しているに過ぎないのです。長期的な展望、社会貢献という理念・哲学・信念を期待する方がどうかしています。

残業する女性

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 このように狭い見識しか持たない営利組織はどんな社員を理想だと考えているのでしょうか?それは、素直に言うことを聞き、長時間夜遅くまで安い給料で働いてくれて、かつ、病気などで会社を休まない健康な人たちです。独身の女性社員でこれらの条件に合致していればOKですが、妊娠出産などをすると会社は牙をむき、排除行動をすることが多いのです。目先の経済効率の観点からのみ評価している職場ではよくあることです。英語では、‘maternity harassment’、日本語では最近、「マタハラ」と呼ばれています。

 妊娠・出産・子育てを通して新たな経験・能力・知識を身に付けた女性たちを簡単に解雇してもいいのですかね?ものすごい損失のような気がします。経営者という肩書を持っている人たちは、人間という存在をもっと広い視野で理解し、能力を最大限に引き出す努力をして欲しいと思います。マタハラで女性を解雇し恨みを買い社会的に敵を増やすようなことをしたら、企業の永続的な発展などは望むべくもないでしょう。

 Japan Press Weeklyの2014年9月11日付記事のリンクを以下に貼りました。このブログ記事と関連した内容ですので興味ある方はクリックしてご確認ください。( )内は私の日本語訳です。

「Women workers call for prevention of ‘maternity harassment’」(妊娠出産に伴う嫌がらせ行為の防止を女性労働者が求める)

 上記の英文記事の一部を以下の「 」に引用します。( )内は私の日本語訳です。

「A network consisting of women workers who were dismissed or forced to “voluntarily” leave their jobs after pregnancy or childbirth requested on September 10 that the government create a law to prevent so-called maternity harassment at work.」
(妊娠出産後に解雇されたり「自発的な」退職を強要された女性たちのネットワークが9月10日、いわゆる職場でのマタハラを防止する法律を作るよう政府に求めました。)

「The members complained about unfair practices in workplaces, saying that they were suddenly dismissed after returning to work from childcare leave or pressured to accept early retirement during miscarriage-related sick leave.」
(そのメンバー達は職場での不公平な慣行に不満を持っている。育児休暇から復職した直後に解雇されたり、流産後の病気休暇中に早期退職するよう圧力をかけられたりしたという。)

「About 60% of women workers in Japan gave up their jobs after they become pregnant or give birth due to excessive long working hours, maternity harassment, and the difficulty in finding an available public childcare center.」
(日本では約60%の女性労働者が妊娠出産後に仕事継続をあきらめている。過度に長い労働時間、マタハラ、そして、公共託児所の空きを見つけるのが難しい、などが原因として挙げられる。)

最後に:
 自分にとって興味がある内容の英文記事を選んで毎日読む習慣を身に付けると英語学習と情報収集の一石二鳥になりますよ。私がオススメする方法です。

以上

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投稿者:

J IWASAKI

J IWASAKI

大学卒業後、民間企業に長年勤めてきました。 英語学習に関しては殆ど独学ですが、TOEICで950点に到達しました。 このブログでは、私が効果的と考えている英語学習方法を紹介しています。 また、英語ニュースに関しても自分の考えを交えながら解説しています。 出来る限り平易に書いていますので、気軽に読んでください。