私が住む町の最寄り駅の派出所(お巡りさんが常駐しているいわゆる交番)が場所を変えました。従来よりも判りやすい場所なので利用しやすくなったように感じます。上の写真とは異なり、切妻型のおしゃれな感じの屋根に大きく「KOBAN」と書かれています。
私は生まれてからずっと日本に住んでいますので、派出所が「交番」と呼ばれていることを知っています。従って「KOBAN」が「交番」のことを意味する、と比較的楽に判断できます。
「交番」をわざわざローマ字化した理由は何でしょうか?また、「KOBAN」という言葉は誰のために作られたのでしょうか?
まずは、最適な表現を検討してみます。
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①日本語を母国語とする人たちが読む場合
→正式名称の「交番」でいいのではないでしょうか。わざわざ「KOBAN」と表示して頂く必要はありません。「交番」のことだと理解するのに労力と時間を要しますので、むしろ迷惑とすら言えます。
②日本語以外を母国語とする人たち。外国から日本を訪問するので、日本語や日本の習慣に疎い人たち。
→「POLICE」という言葉を使えばいいと思います。警察関係の人がこの建物の中に居て困ったときは助けてくれるかも・・・、と想像することができます。
「KOBAN」から「交番」という漢字を連想してもらうのは無理でしょう。外国の人は普通、漢字自体を知らないことが多いですし・・・。また、「交番」は「警察官が居る建物」を意味する、という知識は日本人にとっては当たり前でも、外国の人に期待することはできません。すなわち、「KOBAN」→「警察官が居る建物」と外国人に連想してもらうのは、ほぼ絶望的です。
上記①、②の検討により、「KOBAN」という言葉は、一番大切な読み手のためを思って作られたのではなさそうです。ではなぜ、「KOBAN」という言葉が日本では多く見られるのでしょうか?警察庁のホームページを見ても理由が判らなかったので、以下、私の方で勝手に想像しました。
・戦後、外国との交流が拡大し「表記が漢字だけでは不親切」、と考える人が現れた。とりあえず漢字をローマ字表記にすることを思いついた。
↓
・いかにも国際化しているという印象を与えられると思い、国内に広まった。
私の勝手な想像はともかく、読み手のことを無視した不親切な「KOBAN」が、膨大な時間・お金・労力を費やしてバラまかれてきたのは問題です。現代の日本人は「KOBAN」という言葉に対して違和感が無いのでしょうか?私などは、一瞬、「猫に小判」を連想してから「交番」にたどり着きます。皆さんはいかがですか?
海外からの訪問客にとって「KOBAN」が迷惑な表現であることは間違いありません。しかし、2020年の東京オリンピック開催が決まって、迷惑なローマ字表記を一掃して正しい表記に直すという動きがようやく始まったのは朗報といえます。街頭の表記に限らず、何かを表現する時は「読み手が理解しやすいかどうか?」ということを常に意識しなければいけないと思います。
以上
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全くおっしゃる通りだと思います。警視庁にメールで問い合わせを行なって回答をもらってはどうでしょうか?その結果もこちらで晒していただけると面白いと思います。
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通りすがり様
ご意見有難うございます。ただいま、警察庁に問合せ中です。回答が来たら、皆さんに紹介したいと思います。