残業時間ゼロが当たり前の世の中にしましょう→労働基準法の不備を直す必要あり

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残業する男性
 サラリーマンは残業をしないのが当たり前という世の中にしたいものです。残業をするとプライベートの時間が削られます。すると、地域社会や政治問題などの情報を収集し、考え、自分の考えを持ち、議論することに時間と労力をかけられなくなってしまいます。必然的に政治的無関心状態になり、選挙での投票棄権など無責任な行動が顕著になります。

 もちろん悪徳政治家は大喜びです。自分たちの無責任な政治活動がまともに検証されることなく、再び当選できるのですから・・・。大昔に「選挙民がそのまま眠ってくれればいい・・・」と本音を漏らした総理大臣がいました。政治が悪いせいで生活が苦しくなっているとしたら、それはすべて有権者の責任です。その有権者からまともに思考・判断する機会を奪っている原因の一つが長時間残業であることは明らかです。

 ヨーロッパの先進国であるドイツには残業がほとんどありません。しかし、産業の競争力はとても高いのです。ホワイトカラーの生産性は日本よりはるかに上です。(残業時間が長いと集中できなくなりミスも増えます。)午後の4時〜5時に退社するのが原則です。

 昔テレビで、ドイツの会社員にインタビューしている場面を見たことがあります。そのドイツ人男性曰く、「午後5時前に退社しないと、仕事・家庭・社会活動のバランスをとれなくなってしまう。」、だそうです。ちなみに、ドイツでは職住接近が常識であり通勤時間は30分以内の人が多数派です。ドイツ人は日本人と異なり政治的関心が高く投票率も高いのです。国民の政治的関心が低いままだと暮らし易い社会を実現することはできません。

 2011年3月に福島原発事故が発生した時、ドイツは他山の石として原発全廃を決断しました。日本では、「放射能の状況はコントロールされている」「福島を食べて応援」などと現実を直視せず、失敗から学ばず、誰も責任を取らず、原発再稼働に邁進しています。どちらの国がまともかは論ずるまでもないでしょう。政治的無関心は、人間の心が蝕まれていることと同じ意味なのです。

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 政治的無関心を起こす元凶である長時間残業が日本で横行しているのは何故でしょうか?法律に不備があるからです。労働組合と協定を結べば、経営者は青天井で残業をさせることができるのです。ほとんどの労働組合は御用組合ですから、経営側の思うようにコントロールされているのが現実です。経営者が従業員に非人間的な長時間労働を強いている企業一覧表を以下に示します。

36協定(しんぶん 赤旗)
出典はしんぶん赤旗

 各自の努力で無理にでも残業時間を減らし、政治的関心を深め、投票行動でしっかり意思表示することが重要です。今のままでは労働基準法の不備は改善されませんし、ブラック企業天国の状況が続きます。

 ちなみにドイツでは午後6時以降の残業を法的に禁止する方針です。

 関連する英字新聞記事を以下に紹介します。Japan Press Weeklyの2014年11月28日付記事です。

「Many companies under Keidanren leadership can impose more than 80 hours of overtime work a month」(経団連役員企業の多くで、月80時間以上の残業を強いることが可能)

上記リンクの英文記事の中から幾つかを以下に引用します。( )内は私の日本語訳です。参考にしてください。

「Seventy-eight percent of 40 companies whose chairman is an executive member of the Japan Business Federation (Keidanren) or the Japan Association of Corporate Executives (Keizai Doyukai) can legally force their workers to work overtime for more than 80 hours a month.」
(経団連や経済同友会の役員企業40社のうち78%が、月あたり80時間以上の残業を合法的に社員に課すことができる状態である。)

「The 80h/m overtime work is the danger line set by the labor ministry for death from overtime (karoshi).」
(月あたり80時間の残業というのは、労働省により定められた過労死の危険ラインである。)

「At Toray Industries, Inc. where Keidanren Chairman Sakakibara Sadayuki serves as chairman, workers work overtime of up to 100 hours a month or 900 hours a year after its workers’ union agreed to a special clause with the company.」
(経団連の榊原会長がトップを務める東レの社員は、月あたり最大100時間、一年あたり最大900時間の残業をしている。そこの労働組合が会社側と特別条項に同意しているからだ。)

「This clause is dubbed the “36 agreement” named after Article 36 of the Labor Standards Act, which allows employers to impose overtime more than the legal working hours of an 8-hour day and 40-hour week.」
(この特別条項は36協定と呼ばれている。経営側が法定労働時間の一日8時間、週40時間を超えて残業を課すことを可能にしている労働基準法36条に由来している。)

「In addition to this special measure, Keidanren is calling for the legalization of overtime without pay.」
(この特別条項に加えて、経団連は残業代ゼロ制度の法制化も求めている。)

以上

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投稿者:

J IWASAKI

J IWASAKI

大学卒業後、民間企業に長年勤めてきました。 英語学習に関しては殆ど独学ですが、TOEICで950点に到達しました。 このブログでは、私が効果的と考えている英語学習方法を紹介しています。 また、英語ニュースに関しても自分の考えを交えながら解説しています。 出来る限り平易に書いていますので、気軽に読んでください。