英語になった日本語の紹介(3)→「kaizen」

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 漢字の「改善」は一般的に使われていますが、カタカナで「カイゼン」と書くと製造業における活動を示します。「カイゼン」は主に次の3項目から成ります。

1)安全の確保
 作業者が怪我をしない環境やシステムをつくること。
2)コストの削減
 費用や時間の無駄を無くすこと。
3)製品品質の向上
 製品が故障してクレームにならないように品質の安定性を向上させること。
4)その他

 そして、上記の各項目について次のようなサイクルを回していきます。

①問題の内容を確認する

②問題が発生したの原因を突き止める。

➂問題の解決方法を検討し決める

④問題解決のための行動をする。

⑤行動が問題解決に役立ったかチェックする。

⑥ 再び①に戻る。

 上記のサイクルは1、2回で終わりではなく、永遠に継続させねばなりません。上司から言われてから動くのではなく、現場の作業担当者が自主的に取り組むのが大きな特徴です。「カイゼン」活動は自動車メーカーのトヨタが本家本元ですが、今ではどの業界の製造業でも常識になっています。

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 ご存知の通り、現在では企業の海外進出が進んでいます。海外に工場が建てられると現地に住む人たちが雇われます。日本からその海外工場に派遣された監督者は、この「カイゼン」活動の考え方を徹底的に指導します。今や、英語圏も含めて世界中の国で「カイゼン」活動が毎日行われていますが、この活動を意味する英単語が存在しなかったためにローマ字化した「kaizen」が新しい英単語になったわけです。

 実際、「kaizen」という言葉は英英辞典に載っています。Oxford Advanced Learner’s Dictionary 第8版(オックスフォード大学出版局)では次のように解説されています。

「the practice of continuously improving the way in which a company operates」
・Kaizen is practiced in many industries.
・kaizen training
・Companies that adopt kaizen can boost their productivity by as much as 30%.

 また、The Washington Postの2013年9月18日付の経済記事には、下記のような記述があります。(記事見出し「Eiji Toyoda, who made Toyota an industry giant, dies at 100」)

「The Corolla, introduced in 1966, became the best-selling car of all time. Mr. Toyoda stressed the importance of manufacturing concepts that became central to Toyota’s production methods, such as “kaizen,” or continuous improvement, and “jidoka,” the use of machines that shut down when irregularities are detected.」

 「kaizen」は、日本社会の価値観・考え方・習慣が世界中に認められている一例だと思います。日本の生産技術力が世界のトップレベルにあることを証明している、とも言えます。製造業以外の人たちには余り馴染みが無い言葉かもしれませんが、もし、外国人に説明する時は「ka-i-ze-n」の「ze」にアクセントを置いて発音してください。

以上

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投稿者:

J IWASAKI

J IWASAKI

大学卒業後、民間企業に長年勤めてきました。 英語学習に関しては殆ど独学ですが、TOEICで950点に到達しました。 このブログでは、私が効果的と考えている英語学習方法を紹介しています。 また、英語ニュースに関しても自分の考えを交えながら解説しています。 出来る限り平易に書いていますので、気軽に読んでください。