昔、テレビで時代劇を見ていた時、「市中引き回しの上、打ち首獄門」という刑が宣告される場面を見たことがあります。テレビ番組は刑の宣告で一件落着し終わりになります。しかし、実際の刑の内容は下記のように随分と残酷だったようです。
・首を切り落とされた後、その首は3日間位さらし物にされ、その後捨てられる。
・首より下の胴体は、刀の試し切りに使用される。
・埋葬や葬式を行うことは許されない。
・財産は没収される。
しかし、同じ死刑でも名誉を重んじた手段も存在しました。いわゆる「切腹」「腹切り」は「hara-kiri」という英語になっています。
手元にあるOxford Advanced Learner’s Dictionary 第8版(オックスフォード大学出版局)によると、次のように説明されています。
「(from Japanese) an act of killing yourself by cutting open your stomach with a sword, performed especially by the samurai in Japan in the past, to avoid losing honour」
「ha-ra-ki-ri」ではなく、「he-ra-ke-ri」と発音しています。アクセントは「ke」に置かれています。
スポンサーリンク
長い時間苦しませないように介錯人が付くものの、自分で自分の腹を切る一種の自殺です。しかし、冒頭の「獄門」と違って手厚く葬られます。(忠臣蔵の赤穂浪士は全員切腹を命じられましたが、高輪泉岳寺に埋葬されています。)
現在では「hara-kiri」という死刑制度もありませんし、自分で自分の腹を切る人の話もめったに聞きません。日本人の日常生活の中では殆ど使用されない言葉ですし、せいぜい時代劇で見聞きするくらいです。このように昔と比べて使用頻度がかなり少なくなった日本語が、なぜ英単語として使われているのでしょうか?
英英辞典に載せざるを得ない理由は、「hara-kiri」という言葉の意味を調べたがる外国人がたくさんいるからではないでしょうか。では、外国人が「hara-kiri」という言葉に出会うのはどんな場所でしょうか?
2012年12月29日付のThe Washington PostのOpinion欄に「The worst year in Washington: The tea party」というタイトルで記事が掲載されており、その中に下記のような文章があります。
「He never got a chance to see that vision realized, because of a bit of political hara-kiri he committed in a late-October debate with Democratic Rep. Joe Donnelly. Asked about abortion, Mourdock paused, then said that “even when life begins in that horrible situation of rape, that is something that God intended to happen.”」
上の記事では、「hara-kiri」=「suicide」と同じ意味で使われていますね。
また、日本の文化・歴史・習慣を学ぶ外国人が増えたことも、英語化された原因のひとつだと思います。例えば、日本の時代劇は日本独特の習俗と共に、テレビや映画を通して広く英語で紹介されています。
昔の日本で「hara-kiri」をする理由はいろいろあったようです。例えば・・・
・自身や臣下の責任をとり、自身の命と引き換えに家の存続を保つため。
・生きて辱めを受けるくらいなら、その前に自分で自分の命を絶つ。
・主君が臣下に責任をなすりつけて切腹させる。
・主君に抗議する意味での切腹。
・尊敬する主君の後を追っての切腹
・その他
上記の理由があれば、腹に短刀を突き立てた時の痛みや死ぬことの恐怖を乗り越えられるのでしょうか?私の想像力を超えていますが、精神的にも重みがある行いは時代や国を超えて人々の記憶に残り続けるようです。
以上
新品価格 |
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
日本の「切腹」は外国人からしたら
ものすごい衝撃でしょうね(^_^)
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
はい、unbelievable、なことだと思います。
この他に、「侍」→「samurai」、「武士道」→「bushido」、「神風」→「kamikaze」、なども立派な英単語になっています。