読売新聞が2014年11月28日付で次の記事を掲載しました。
性奴隷を意味する「sex slave」などの表現を、1992年2月から2013年1月にかけて英字紙「デイリー・ヨミウリ」(現ジャパン・ニューズ)で使用し続けてきたことを謝罪しているのです。
戦時中に旧日本軍がアジア諸国の女性を強制的に性奴隷にしていたのは事実ですから、「sex slave」という表現は適切です。どの国の英字新聞でも「sex slave」という適切な表現が使われています。適切な表現を使った読売新聞が謝罪する必要はありません。読売新聞は一体、誰に対して謝罪しているのでしょうか?
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日本が行った侵略戦争の具体的事実を知らない、意識の低い読売新聞読者向けの謝罪ですね。悪い意味での保守層に配慮しているのです。
この謝罪記事に対して海外メディアが大きく反応しました。
2014年11月28日付のThe Washington Post記事↓
「Yomiuri, Japan’s biggest newspaper, apologizes for using term ‘sex slaves’」(日本最大部数の読売新聞が性奴隷という言葉を使ったことについて謝罪した)
2014年11月29日付のThe New York Times記事↓
「Japanese Newspaper Prints Apology for Using the Term ‘Sex Slaves’」(性奴隷という言葉を使ったことに対して日本の新聞社が謝罪記事を出した)
2014年11月28日付のBBC News記事↓
「Japan paper Yomiuri Shimbun retracts ‘sex slaves’ references」(日本の読売新聞社が性奴隷への言及を撤回)
日本国内の小さな謝罪記事なのに何故、世界中が騒ぐんだろう?と思っている人がいると思います。上の3つの記事を読んで、海外からの警告として私が受け止めたことを以下に述べます。
・自民党の安倍政権は過去の失敗や犯罪を直視できない反動右翼政治家の集まりだ。
・1993年の河野談話や1996年の国連クマラスワミ報告を否定・修正したがっている。
・日本国内では、歴史の暗部を消したり修正する動きが加速しているが、読売新聞の謝罪記事も「成果」の一つである。
・中国や韓国の近隣諸国との関係がさらに悪化するだろう。
「ドイツと比べると、日本というのは本当に学習能力が無いな。」というのが国際社会の認識なのです。安倍政権とその取り巻きだけではありません。安倍政権を誕生させた日本国民も同じ評価をされているのです。「軽蔑されている」というのが正しい表現でしょう。
日本人に対して面と向かって「私はあなたを軽蔑しています」とはっきり言う外国人は稀でしょうが、心の中では軽蔑されているのです。
私が昔ドイツに出張した時、同行した上司が日本の侵略戦争についてあまりに無知だったため、相手方のドイツ人に呆れられてしまったことがあります。「戦後何十年も経っているのに、未だに歴史認識がいい加減なのは信じられない。日本人はレベルが低いよね」みたいなコメントを頂いた記憶があります。残念ですが、これが現実・本音なのです。経済大国というだけでは尊敬されないのです。
2014年のG20サミットで日本の安倍総理は外国首脳の誰にもまともに相手にされなかったようですが、これは日本人に対する海外からの警告だと受け止めた方がいいでしょう。
以上