英字新聞で情報を得よう!(31)・・・原発事故による放射能の影響を考える。

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 放射能が人体に有害なのは皆さんご存知と思います。1986年の4月に旧ソ連のチェルノブイリ原発が爆発し大量の放射性物質(radioactive materials)が全世界にばら撒かれましたが、人間に対する影響を具体的に知りたいと思い書籍を探していたのが約25年前です。その時、友人に勧められて読んだのが次の本です。

危険な話 チェルノブイリと日本の運命

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 この本は具体的な被害状況が解り易く書かれていて大変参考になりました。1987年に出版されていますが、将来日本でも原発事故が起こることが指摘されています。個人的にお勧めの本です。

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 放射能の影響は年齢が低いほど、つまり赤ん坊や胎児ほど大きくなります。チェルノブイリ原発事故により子供たちが具体的にどのような影響を受けているのか、数字や文章ではなく映像で紹介されているのを最近発見しました。下記をご覧ください。

 2011年に福島原発で起きてしまった大事故の影響はどうなのでしょうか?報道規制が厳しいので本当の情報を得にくい状況ですが、参考になるドキュメンタリーをウェブ上で最近発見しました。下記リンクでご覧ください。福島原発事故以降、子供の体調が悪くなり西日本に避難してきたお母さん達を取材しています。韓国取材班の制作です。本来ならば日本のマスコミの役割なのですが、彼らは安倍政権の宣伝機関に成り下がっているのでほとんど期待できません。

http://vimeo.com/103298124

 1990年に出版された下記の書物は、元原発設計技師による内部告発です。核分裂で生じる中性子を継続的に被爆することで原子炉圧力容器自体がどんどん脆くなっていくことも記されています。私はこの本を読んだだけで、原子力発電システムと人間は共存できないことを理解できました。今、20年以上ぶりにページをめくっていますが、原子力工学の専門知識が無くても読めるように工夫されています。この本もお勧めです。

原発はなぜ危険か―元設計技師の証言 (岩波新書)

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 話を戻しますが、原発事故の放射能が動植物に与える影響を科学的に厳密に実証するのはそんなに簡単ではありません。放射能は目に見えないですし、影響が現れるまでに時間がかかる場合が多いからです。自動車事故とは異なり、広範で長期間の研究(wide-ranging and long-term research)を要するのです。原発推進側は「奇形児が生まれてもそれは放射能と関係ない」と主張することが多いですが、彼らに言い訳をさせないためにもより多くの研究データが必要です。また、政府やマスコミの発表資料は原発推進側に都合が良いものになりがちですから、我々一般人は自分で情報を収集・選別する姿勢が不可欠です。

 最後に、共同通信社の2014年8月14日付記事「Japan, U.S. experts warn of impact on species from Fukushima crisis」(日米専門家の警告:福島原発事故が種に及ぼす影響)を以下に引用します。( )内は私の日本語訳です。このブログ記事に関連した内容ですので読んでみてください。背景知識と感情を伴いながら読めば、見知らぬ英単語も覚え易いし忘れにくいですよ。

「Japanese and U.S. scientists warned that radioactive materials released from the crippled Fukushima Daiichi nuclear plant could have caused abnormalities in the genes of birds and insects nearby in a set of papers released in a U.S. journal Thursday.」
(福島第一原発の事故で放出された放射性物質が、周辺に生息する鳥や昆虫の遺伝子に異常を引き起こした可能性がある。これは、木曜日に米国で発表された論文の中で日米の科学者が警告している内容だ。)

「Timothy Mousseau of the University of South Carolina, one of the experts, called for wide-ranging and long-term research on ecosystems, such as genetic-level analysis, drawing a comparison with what happened to such species after the 1986 Chernobyl disaster.」
(サウスカロライナ大学のTimothy Mousseau氏は専門家の一人だが、広範で長期的な生態系の研究を遺伝子レベル解析を用いて実施し、1986年のチェルノブイリ事故が種に与えた影響と比較することを提唱している。)

「In a paper Drafted on the website of the Journal of Heredity, Mousseau said barn swallows with abnormal white spots on feathers were found near the Chernobyl plant after the accident and the discovery of such swallows in Fukushima after the crisis was also reported.」
(チェルノブイリ事故後に近くの納屋に生息していた燕を観察したところ、異常な白い斑点が羽に見られた。福島県内でも原発事故後に同じことが起こっている。遺伝学会誌のウェブサイト上で公表された論文の中でMousseauはこのように述べている。)

以上

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投稿者:

J IWASAKI

J IWASAKI

大学卒業後、民間企業に長年勤めてきました。 英語学習に関しては殆ど独学ですが、TOEICで950点に到達しました。 このブログでは、私が効果的と考えている英語学習方法を紹介しています。 また、英語ニュースに関しても自分の考えを交えながら解説しています。 出来る限り平易に書いていますので、気軽に読んでください。